写真=サンタクララ郡政府の庁舎と郡旗(サンノゼ市)
写真=スタンフォード大学のキャンパス(左は経営大学院、右が学部)
写真=ヤフー!本社の駐車場で。人目を引くために社員の車に社名がペンキで描かれている。
写真=ヒューレット・パッカードの伝説のガレージ(現在、母屋に住んでいるタンビ・ハーウッドさんの左奥)。カリフォルニア州政府は、このガレージを「シリコンバレー誕生の地」と認め、第976号の州公認史跡に指定した(右の刻板にそのいきさつが記されている)
写真=KPCBの事務所(サンドヒルにて)
サンフランシスコ市の中心街からフリーウェイの101号をクルマで南へ45分くらい走ると、そこはシリコンバレーです。ロサンゼルスからだとフリーウェイの5号を北上することになり、5時間半ほどかかります。
シリコンバレーは、南北に45キロ、東西に20キロほどの地区です。西に太平洋、北にサンフランシスコ湾、南と東に丘が広がり、郊外の谷間ではコヨーテも出没します。
シリコンバレーのほとんどは、カリフォルニア州サンタクララ郡という行政区に属します。北から順番にレッドウッド市、メンロパーク市、パロアルト市、マウンテンビュー市、サニーベール市、クパチーノ市、サンタクララ市、サンノゼ市などの大きな市があり、特に南端のサンノゼ市は“シリコンバレーの首都”と呼ばれています。
国際空港はサンフランシスコ市とシリコンバレーの中間にあるサンフランシスコ空港、湾の東側にあるオークランド空港、そしてサンノゼ市にあるサンノゼ空港です。
日本の成田空港からサンノゼ空港へは8時間余りのフライトです。毎日、アメリカン航空がB777機で直行便を飛ばしています。アメリカン航空の“アメリカン・ドリーム”という切符を購入すると、だいたい観光シーズンオフで7万円前後(往復)です。
またサンフランシスコ空港へは成田から毎日、各航空会社の便が多数飛んでいます。
シリコンバレーには世界的に有名な電子機器メーカーやコンピューター関係の会社がたくさん集まっています。たとえば半導体のインテル(サンタクララ市)、パソコンのアップル(クパチーノ市)、ソフトウエアのオラクル(レッドウッド市)などです。
シリコンバレーがハイテクの集積地となるまでに六〇年余りの歳月を要しました。今ではIT(情報技術)の発祥の地とも呼ばれます。シリコンバレーが生んだものに、IC(電子集積回路)やコンピューターのソフトウエア、パソコン完成品、ドットコム・ビジネスなどがあります。
サンノゼ市内にサンタクララ郡政府があります。シリコンバレーの大半はサンタクララ郡の行政区に入ります。ここは白人率が全米でも最も低い地区のひとつで、48%ほどです。技術者にアジア人が多く、インド人(英語でインディアン)と中国人(英語でチャイニーズ)が多いことから、シリコンバレーを盛り立てているのは集積回路のICではなく、人種のICだと言われています。
シリコンバレーとその周辺にはスタンフォード大学やカリフォルニア州立大学バークレー校(UCB)などの大学があり、卒業生たちは競ってスタートアップ(ベンチャー起業)に参入しています。
ご存じヤフー!のアメリカ本社はシリコンバレーのど真ん中にあります。毎日、見学に訪れる人たちが多数います。
ヒューレット・パッカード(HP)という総合電機メーカーは、日本ではさほど知られていませんが、アメリカではHP=シリコンバレーというくらいに有名です。
この会社は、1938年にウィリアム・ヒューレットと、デビッド・パッカードというスタンフォード大学の卒業生が創業しました。最初は車庫に工場を設けました。これが有名なHPのガレージ伝説です。
このガレージからシリコンバレーのハイテク産業が開花しました。ここ(パロアルト市アディソン通り367番地)はシリコンバレーのグラウンド・ゼロ(爆心地)と呼ばれています。HP社に申し込むと、この中を見学できます。
シリコンバレーの北西部にサンドヒルというところがあり、世界最大の資本規模を誇るベンチャーキャピタル事務所が密集し、ベンチャー資本街となっています。ニューヨークのウォール街に匹敵するほどハイテク産業をリードしています。
中でもKPCB(クライナーパーキンス・コーフィールド&バイヤーズ)は最も老舗で、あの財閥のハースト一族(新聞王の子孫)の御曹司であるウィリアム・ハースト3世や、カリスマ性で有名なジョン・ドエールといった投資家がKPCBに所属して盛んに投資をおこなっています。
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